【比較】米国ETFのVTIと楽天VTIで積立投資のシミュレーションをしてみた①

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こんにちは、ぽんくろです。

ひと昔前は米国株だけを対象とした低コストの投資信託は無く、米国市場にフォーカスした投資をするためには実質的には米国ETFしか選択肢がありませんでした。

しかし、この1年程度でS&P500や類似のインデックスをベンチマークとする投資信託が何本か登場しており、米国ETF以外にも選択肢が揃ってきています。

今回は積立投資をする際に米国ETFのVTIを直接買う場合と投資信託の楽天VTIを買う場合とでパフォーマンスの比較をしてみたいと思います。

理論値でシミュレーションしてみる

前提条件

まず、比較のための共通条件として以下のような前提を置くこととします。

説明
投資金額 毎月150,000円
期待リターン 年率6.00%
(値上がり益:4.25%、配当金:1.75%)
為替レート 1ドル110円で固定とする
源泉課税(米国) 10.00%
国内課税 20.315%
その他 分配金やポイント還元等は即座に再投資する

続いてそれぞれの個別条件ですが、積立投資における現状のベストプラクティスと言える方法を選択しています。

少しだけコスト面に目をつぶればどちらも完全自動の積み立てにできますが、月1回くらいの手間なら許容範囲として外貨の準備や投信のスポット購入は手動でやる前提としました。

米国VTI (ETF) 楽天VTI (投信)
証券会社 SBI証券 楽天証券
購入方法 ETF定期買付
※外貨入金は手動
50,000円:積立購入
それ以上:通常購入
決済方法 外貨決済 50,000円:楽天カード
それ以上:証券口座から
為替手数料 1ドルあたり2銭
※住信SBIの外貨積立
なし
売買手数料 0.486%(税込) なし
信託報酬 0.04% 0.311%(実質コスト)
分配金 あり なし
※ファンド内で再投資
ポイント還元 なし 楽天カード:1.0%
投信残高:0.048%(年率)
外国税額控除 半額分だけ取り戻せる なし

なお、SBI FXの現引きを使えば為替手数料は0.5銭にまで下げられますが、10,000ドル単位での決済となり毎月の積み立てには適さないことから選択肢から外しました。また、外国税額控除は一般的なサラリーマンだと全額戻らないケースが多いため、ここでは半額分だけ取り戻せることとしています。

シミュレーション結果

上記の前提条件をもとに30年間の運用シミュレーションを行った結果が以下の表になります。これらの金額はもし各時点の末日に全てを売却した場合、手数料や税金が引かれた後に銀行口座に日本円でいくら戻ってくるかを表しています。

累計積立額 米国VTI (ETF) 楽天VTI (投信)
※4年後 720万円 787万円
(+9.36%)
787万円
(+9.36%)
5年後 900万円 1,009万円
(+12.11%)
1,008万円
(+11.98%)
10年後 1,800万円 2,296万円
(+27.53%)
2,280万円
(+26.68%)
15年後 2,700万円 3,948万円
(+46.22%)
3,902万円
(+41.51%)
20年後 3,600万円 6,083万円
(+68.97%)
5,984万円
(+66.22%)
25年後 4,500万円 8,854万円
(+96.75%)
8,675万円
(+92.77%)
30年後 5,400万円 12,464万円
(+130.81%)
12,168万円
(+125.33%)

購入時の手数料やポイント還元の差で最初の4年間については楽天VTIのほうがリターンは大きくなっています。それ以降は信託報酬の差によってETFのほうが徐々に引き離していきます。

また、損益率の推移をグラフにすると以下のようになります。

30年間の累計損益率では5.48%(=130.81%ー125.33%)の差となっており、現時点では米国ETFを直接買ったほうが少しだけ有利と言えます。

損益率の差(対米国VTI)の推移をプロットしたグラフだと以下のようになります。

楽天VTIが負けているため緑のグラフは下側に振れていますが、途中からだんだんと曲がり方が急になっています。これは信託報酬の差による影響が複利でじわじわ効いてくるためです。

もしも楽天VTIが期待値通りなら

ただし、今後の運用の中で楽天VTIの実質コストが期待値の 0.1696% まで改善すれば、この差は逆転する可能性があります。

この差を生み出している主な要因として「信託報酬」と「配当課税繰り延べ効果」の2つがありますが、信託報酬の差が配当課税によるロスよりも十分に小さい場合、次第に課税繰り延べの効果が効いてくるからです。

楽天VTIの信託報酬のみ0.1696%に変更して同様のシミュレーションを行った場合、損益率の推移は以下のようになります。

これだともはや両者はぴったり重なって緑のグラフが見えません。ぱっと見ではほとんど差は無くなっていると言えます。

損益率の差(対米国VTI)で見ると次のようになります。

緑のグラフが240ヶ月を超えたあたりから上昇に転じています。配当課税の繰り延べによる効果が信託報酬の差を累積で上回ったためです。

配当時の課税を回避したとしても最終的には売却時に課税されてしまうため、序盤ではまだ信託報酬の差による影響が上回り、グラフは下がっていきます。しかし、課税繰り延べの効果は複利的に効いてくるため、信託報酬の差が配当課税によるロスよりも十分に小さい場合、いずれは逆転することになります。

こうした状況になれば、長期で持てば持つほど楽天VTIのリターンが上回っていくことになります。